「私立の教員は公立よりも給料が高いらしい」──そんな噂を耳にしたことはありませんか?
実はこの差は、基本給ではなく「手当」や「福利厚生」の違いによって生まれています。
本記事では、現役教員の視点から、私立教員にしか支給されない手当や働き方の特徴をわかりやすく解説します。
これから教員を目指す方、転職を検討している現職の先生にも役立つリアルな情報です。
私立教員の給料が公立より高くなる主な理由とは?
基本給そのものは、公立も私立も大きくは変わりません。
しかし、私立教員には公立にはない「各種手当」が支給されることが多く、これが給料の差につながっています。
しかも、事前に説明されていなかったのに、あとから支給される手当も意外と多いのです。
私立の学校でしかもらえない手当
手当名 | 内容 | 金額の目安 |
---|---|---|
残業手当 | 一部の学校で支給。多くは「固定残業代」として処理され、公立の「教育調整額」と実質同じような運用。 | 数万円程度(定額) |
役職手当 | 校長・教頭・生徒指導部長・学年主任・担任などの役職に応じて支給。 | 数千円〜数万円/月 |
授業時数超過手当 | 規定の授業コマ数(例:16コマ)を超えて授業を持った場合に支給。 | 1コマあたり約1万円/月 |
講習手当 | 夏期講習や補習など、長期休みに行う授業への手当。 | 1コマあたり5,000円程度 |
入試手当 | 入試関連業務(問題作成、試験監督、採点など)への手当。業務量が多く、学校収入にも直結する重要業務。 | 数万円〜十数万円(年度末に支給) |
宿泊出張手当 | 修学旅行や合宿など宿泊を伴う出張時の手当。 | 1日あたり数千円 |
休日出勤手当 | 学校行事や部活動などでの休日勤務に対する手当。 | 1日あたり約1万円 |
これらの手当はすべて、月給や賞与に上乗せされる形で支給されることが多く、「見かけの基本給」よりも実際の手取りが増える大きな要因になります。
📝補足情報
ネットではよく「私立の学校では残業手当が支給される」という記事が見られますが、これはあくまで法律上(建前)のことです。実際のところ、公立と同じような運用をしている学校が多いのが実情です。
手当以外の私立ならではの福利厚生
項目 | 内容 |
---|---|
出張旅費 | 宿泊費や交通費など。公立では自己負担や立替が必要な場合もあるが、私立では事前に学校が費用を負担するケースが多い。 |
個人研究費 | 参考書・研修費用などを経費として後日清算できる制度。映画のチケットなど幅広く認められる場合もある。年間数万円までの範囲で使えることが多い。 |
おまけ:ボーナスの特徴
私立では入学者数や経営状況によって賞与(ボーナス)の額が変動するという特徴があります。
業績連動型とも言えますが、安定性を重視する方にとっては不安材料になるかもしれません。
ボーナスの額は学校によって大きく異なりますが、月給(基本給)の3~6ヵ月分です。
まとめ
私立の学校は「頑張った分だけたくさん給料がもらえる」という合理的な仕組みになっています。
責任や負担も大きくなりがちですが、そのぶん報酬としてきちんと評価される環境が整っている学校が多いです。