「私立の先生になりたいけれど、情報が少なすぎてどうしたらいいか分からない…」そんな悩みを持っていませんか?私が大学生のときも、周りに私学教員志望の人が少なくて苦労しました。
そこで今回の記事では、現役私学教員が、私学教員になるための4つの方法を紹介していきます。
私学教員になるための4つの方法とは?
私学教員になるには、次の4つの方法があります。
- 学校ごとの教員採用試験(公募)を受ける
- エージェント経由で教員採用試験を受ける
- 各都道府県で実施される私学教員適正検査を受ける
- 知り合いの紹介・推薦で教員採用試験を受ける
それぞれ、メリットとデメリットを踏まえて詳しく説明していきます。
学校ごとの教員採用試験(公募)
▶ 最もチャンスが多いが、倍率は最も高い王道ルート
応募方法
具体的な応募の手順は次の通りです。
- 日本私学教育研究所のHPで募集情報を確認する
- 募集が確認できた学校のHPから募集要項を確認する
- 採用試験を受けたい学校であれば募集要項の指示通りに応募書類を送る
- 無事に「内定」がもらえれば晴れて私学の教員に
「日本私学教育研究所 教員募集情報ページ」では、全国の私立学校の教員募集情報が掲載されています。
メリット
- 受けられる学校の選択肢が最も多い
実は、「公募」でのみ教員を募集している学校も多く、偏差値の高い人気校ほど、この傾向が強く見られます。おそらく、公募のみの募集でも優秀な人材が多く応募してくるからだと思われます。
この記事では、公募での採用試験を最初に紹介していますが、私学教員になる方法としてこれが最も「オーソドックスな方法」だからです。
デメリット
- 採用試験の倍率が高い(高いところだと50倍以上)
- 書類選考で落とされることが想像以上に多い
- 選考の壁が多い(少なくとも3次選考まである)
- 年齢や学歴(院卒など)の条件が定められていることが多い
デメリットをまとめると、公募での採用試験は「狭き門」だということになります。
私学教員用のエージェント
▶ 非公開求人も多数!初心者におすすめのサポート型ルート
利用方法
- 「E-Staff」「教員採用.jp」「教員人材センター」「イスト」などの教員志望者向けエージェントに登録をする
- (必要に応じて)エージェントスタッフと面談をする
- (必要に応じて)エージェント主催の説明会に参加する
- 条件に合う学校から採用試験の誘いが来る(エージェント経由)
- 受けたい学校であれば採用試験に応募する(エージェント経由)
- エージェントスタッフから採用試験のアドバイスをもらう
- 採用試験を受ける
その後、採用試験を受けて内定をもらうまでの流れは公募と同様になります。
メリット
- 事前にエージェント経由で学校内部の情報が得られる
- 自分が求める条件に合った学校が紹介してもらえる
- エージェントスタッフから採用試験のアドバイスをもらえる
- 学校から採用試験の誘いが来るため、内定がもらえやすい
- 利用者はこれらの手厚いサービスを無料で受けられる
デメリット
- エージェントと契約している学校しか受けることができない
私学教員適正検査
▶ 好成績なら学校から直接スカウトが届く
私学教員適正検査とは?
一部の都道府県の私学協会によって実施される「共通テスト」のような筆記試験です。試験の内容は「教職教養」や「専門教養」などです。
利用方法
- 各都道府県の私学協会のHPから、受験の申請方法等を確認する
- 申請をし、適性検査を受験する(成績に応じてA~Dの評定がつく)
- 受験者とその受験成績が各学校に共有される
- 成績のよい受験者を中心に、学校から個別に連絡が来る
- 連絡の来た学校が受けたい学校であれば、採用試験を受ける
その後、採用試験を受けて内定をもらうまでの流れは公募と同様になります。
メリット
- 学校から採用試験の誘いが来るため、内定がもらえやすい
- 一部の選考がカットされる場合がある
デメリット
- ごく一部の都道府県・学校でしか利用されていない
- 受験料がかかる(2万円程度)
【おまけ】東京私学教職員エントリーシステム
東京都では、令和5年8月で私学教員適正検査が終了しました。代わりに、「東京私学教職員エントリーシステム」というものが導入されています。
これも私学教員適性検査と同様に、登録者の情報が東京都の私立学校に共有され、学校からオファーが届くというものです。詳しくは「私立中高教員採用.com」をご確認ください。
知り合いの紹介・推薦
▶ 高収入も狙える上級者向けの方法
具体的な方法
私学の教員は、教員研修や部活動の大会などをきっかけに、他校の教員とつながりをもつことがよくあります。意外に「世間が狭い」と感じることが多い業界です。
そのため、教員を募集したい学校の先生が、知り合いの先生に声をかけ、直接スカウトするような形で採用が決まる場合があります。少しレアなパターンなので、最後に紹介しましたが、これも私学教員になる方法の1つと考えてよいでしょう。ちなみに、この方法で学校外の人が校長先生として採用されることもあります。
メリット
- 実際にその学校で勤務する教員から内情を詳しく聞ける
- 事前の交渉により、待遇がよくなる場合がある
- 選考が非常に少なく、面接だけで内定が決まる場合もある
デメリット
- 新卒の人は基本的にこの方法を使えない
- 一部の学校でしか使えない
- それなりに実力が保証されている教員でなければ推薦されない
まとめ
ここまで、私学教員になる4つの方法を紹介してきました。最後にもう一度、ポイントを整理しましょう。
私学教員にための4つの方法
方法 | おすすめ度 | 特徴 | 内定しやすさ | 対象者 |
---|---|---|---|---|
公募 | ★★★★☆ | 最も王道、選択肢が広い | △ | 経験者・新卒どちらも |
エージェント | ★★★★★ | サポートが手厚い | ○ | 初心者・不安な人向け |
適性検査 | ★★☆☆☆ | 一部地域限定 | ○ | 対象地域に限られる |
紹介・推薦 | ★★★☆☆ | 内定が早い場合も | ◎ | 人脈がある人向け |
特に、新卒や経験の浅い方には「公募」と「エージェント」の2つが現実的でおすすめです。今後は、それぞれの方法についてさらに詳しく解説する記事も順次公開予定です!